海外ミステリ三行レビュー

「このミス」を読んでちょっとだけ海外ミステリブームが来ていたので、書き残しておく。

カササギ殺人事件」「メインテーマは殺人」「その裁きは死」アンソニーホロヴィッツ

他の作品を読んでからの感想だが、毎年このミスの上位に来るだけあってクオリティがめちゃくちゃ安定している。 探偵役のホーソーンを反PC的な「いやな奴」として描き、それを常識人的な主人公が諌めるというやり方は上手いなと思った。 どちらの立場の人間も満足させられる。

「時計じかけの歪んだ罠」アルネ・ダール

時計仕掛けの歪んだ罠 (小学館文庫)

時計仕掛けの歪んだ罠 (小学館文庫)

犯人の猟奇っぷりが良い。北欧の仄暗い雰囲気がたっぷり味わえる。

「死亡通知書 暗黒者」

死亡通知書 暗黒者 (ハヤカワ・ミステリ)

死亡通知書 暗黒者 (ハヤカワ・ミステリ)

  • 作者:周 浩暉
  • 発売日: 2020/08/05
  • メディア: 新書

面白かったけどあまり記憶に残っていない。

「砂男」ラーシュ・ケプレル

美人の潜入捜査官が情報を得るために獄中のサイコパスと対話する…という構図がどう見ても「羊たちの沈黙」へのオマージュなのだが、 キャラクターがキャラクター的すぎるというか、いまひとつ薄っぺらくて入り込めない。悪い意味で海外ドラマっぽい。

「特捜部Qー檻の中の女ー」ユッシ・エーズラ・オールスン

良い意味で海外ドラマっぽく、テレビを見るようにサクサク読める。キャラも立っているが砂男ほど気にならないのは、 こちらの方がエンタメに振り切っているからか。